08 - 7 - 2008

拷問反対の法案提出 加州上議

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医師や看護師の関与禁止

 カリフォルニア州上院のマーク・リドリー=トーマス議員は、米軍基地内でのテロ容疑者に対する拷問に反対を示す州法案SJR19を1月に提案、上院ビジネス・経済開発・専門職委員会、下院の同委員会をともに全会一致で通過し、7日、上院で審議されることになった。
 2部構成の同法案では、加州の免許を持つ医師、看護師、臨床心理師らに対し、拷問への関与は違法であることを公式に知らせ、これら医療従事者が拷問に関与することがないよう、米国防総称と中央情報局(CIA)に要請している。
 いわゆる「テロとの戦い」で、米政府は、テロに関する情報収集を目的に、水責めなどを用いた過酷な尋問を容認する方針を貫いている。
 日系市民協会(JACL)のフロイド・モリ全米委員長は、北米毎日新聞社の電話取材にこたえ、同州法案を支持する姿勢を示し、「われわれは連邦レベルで、拷問への反対を表明している。医療従事者が残酷な行為に関与することを禁ずる、このような法案は、歓迎する」と述べた。JACLは、日系、アジア系だけでなく、最近ではイスラム系市民の権利擁護にも発言している。
 リドリー=トーマス議員の法案は、米軍はグアンタナモやアフガニスタン、イラクの基地で、収容者の医療を受ける権利を阻害していると批判。法案が成立すれば、加州で免許を得た医療従事者は、医師らの倫理を唱えた「ヒポクラテスの誓い」に準ずるよう、法律で定められる。
 法案によると、戦闘に参加していない医療従事者は、負傷した双方の兵士とともに、敵方の捕虜を手当てし、虐待の形跡があれば報告するよう、国際法で義務付けられている。議員は、「医師に(その倫理を唱えた)『ヒポクラテスの誓い』を心に留めておくよう要求することで、拷問に対する合意に反発できるよう願っている」と、声明で述べた。
 議員は、良心の欠如の観点から反戦の姿勢を掲げたマルティン・ルーサー・キング牧師の誕生記念日に法案を提出。「医療従事者が拷問に関与していることは、良心が欠如している証拠だ」とした。
 2001年の米同時テロ以来、米当局は、アラブ系市民の不当な扱いを続けている。JACLのモリ氏は「アラブ諸国の出身者は、真珠湾攻撃直後の日系人に対する扱いと似ている。1万3000人のアラブ系が、正規の手続きなく国外退去を命じられた」と述べた。
 真珠湾攻撃の結果、西海岸の12万人の日系人が強制退去を命じられたが、モリ氏は「戦時下では、さまざまな理由で、目立つ者が糾弾される。拷問が行われていると聞き、捕えられた人びとのことが心配。拷問には反対だ」と話した。
 国際的には、ジュネーブ条約で捕虜の人道的扱いが定められており、これに反した米国人は、米連邦法によって裁かれることが定められている。また州レベルでは、不法行為に及んだ医療従事者に対する罰則規定もある。
 しかしブッシュ政権は、「一部の尋問によっては、ジュネーブ条約の意味と適用に関して、理解を変える権利がある」としている。
 モリ氏は「われわれは国際法に準じなければならない」と、強調した。
 法案は、「人権のための医師団」「社会的責任のための医師団」などの団体も支持している。

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