芸術に見る中国の近代化
Posted inバークレーで現在アート展
カリフォルニア大バークレー校美術館(BAM)とパシフィック・フィルム・アーカイブ(PFA)は来年1月4日(日)まで、現代中国美術を集めた特別展「Mahjong: Contemporary Chinese Art from the Sigg Collection」を同美術館(2626 Bancroft Way)で開いている。
スイレンの花を口にくわえ、温和な表情を浮かべる毛沢東の肖像画など、1970年代後半以降の作品の多くは、毛沢東が押し進めた文化大革命の閉塞された時代を描写したものが目立つ。さらに、ステンレススチールを用い「拷問」をテーマにした作品など資本主義化の流れにともない近代的で自由な構想のアートも多い。それゆえに生まれる都心と地方のギャップを表現した作品もあり、96人の中国人アーティストによる141点の絵画、彫刻、写真、映画などが展示されている。
BAM/PFAコーディネーターのジュリア・ホワイト氏は「このコレクションは十数年の中国美術のめざましい変化を映し出すだけでなく、中国社会や文化の変化も見て取ることができる」と、中国社会の流れと形成された背景がアートを通してうかがえる同展の醍醐味を話した。
スイス人美術収集家、ユリ・シグ氏の2000点以上におよぶ膨大なコレクションの中から選ばれた作品群の中には、ヨーロッパで名高いアーティストの代表作から、未だ世界で無名のアーティストの作品までさまざま。そのほとんどがアーティストから直接入手したといわれ、その質、規模、着眼点は高く評価されている。これだけ多くのシグ氏のコレクションが一般公開されるのは全米初。
1970年代後期にビジネス面で、その後、外交面で中国との関係を築いたシグ氏は、中国社会の変化を目の当たりにすると同時に、当時の芸術が正しく保存、記録されない実状を知った。「中国のため、自分のためにできる限り美術品を集めようと決めた。そして中国がそれを受け入れられる時が来たらこの文化遺産を中国の人々に返したい」と美術に対する思いを語っている。
PFAは期間中、中国人映画監督によるドキュメンタリーや短編アニメ、独立映画などを上映。中国の政治的、経済的変化の中で現代中国人アーティストたちがどのように思い、感じ、それを芸術で表現しているのかが見どころ。
入場料は一般12ドル、学生、13〜17歳、65歳以上7ドル。第1木曜日無料。開館時間は水曜〜日曜日午前11時〜午後5時。月曜と火曜日休館。
詳細問い合わせはBAM/PFA☎(510)642—0808、またはウェブサイトwww.bampfa.berkeley.eduまで。

